社会的認知度の低いがん骨転移の啓蒙活動および診療体制の整備推進活動を行うため、2015年4月、在阪において連携するがん患者団体『大阪がんええナビ』を中心にスタートさせました。今日の治療成績の向上に伴い、がんと共に生きることが可能となった反面、増加傾向にあるがん骨転移への関心度は低く、下半身不随に陥っても緩和ケアに包含されている懸念があります。
骨転移は適切に管理することで骨折や麻痺の大部分を回避できる問題です。がん患者の疼痛原因の約4割を占めると言われる骨転移においては、生じた苦痛に対する事後的な緩和医療もさることながら、適切な管理により人間らしい生活を積極的に守る医療が望まれます。
がん医療において命が最優先であることは論を待ちませんが、命とは直結しない骨転移は、進行がんとなったとき私たち国民が医療に何を求めるかを問いかける問題です。少しずつ実態を明らかにする中で、多くの皆様に考えて頂きたい問題なのです。
“Walk Together”に込めた願い
がん骨転移により病的骨折や麻痺が発生すると、歩くことが不自由になったり、二度と再び立って歩くことができなくなります。進行がん患者にとって、家族や人とのつながりの中で過ごせる時間はとても貴重です。そんなとき、大切な人とともに歩ける体を維持できるようにという思いがあります。
そしてもっと大切なことは、ただ患者の権利を主張するのではなく、診療体制の整備の問題ととらえ、激務の中診療に向かっている現場の医師にとっても望ましい体制づくりを、医療関係者、メディア、行政などが一体となって、ともに歩むことを基本理念とします。
活動内容
がん骨転移診療の実態把握
- 近畿圏から順次実施
(マンパワーと予算に限りがあるため。全国で経年的に実施・継続するには、賛同下さる患者会のご参加や各方面より寄付金でのご支援が必要です。)
がん患者への啓蒙活動
- 予備知識の提供
診療情報や体制整備が行き届かないとき、まず身を守るために適切な予備知識を持つことが先決です。他の有用なサイトへのリンクを活用しながら情報提供を行います。
骨転移をきっかけにがんが見つかるケースも多くなっています。健常な方にも必要な予備知識です。医療監修支援は「がんを生きるための骨転移リテラシー」著者橋本伸之医師にご協力を頂いています。 - 体験談の編集・公開
- 講演会活動
市民講座や患者会セミナー - その他イベント開催
医療従事者への啓発活動
体制整備が十分でない中、まず周知を図ることが優先事項となります。
関連学会や医療・保健施設への働きかけを行っていきます。
政策への反映
他の患者会とも連携を図りながら、がん対策への提言を行っていきます